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脱 VPS して自宅ミニ PC に集約した話

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二重管理が、いちばん高くついていた。
名義が 4 つなら、箱も 4 台。1 台の中で KYC を混ぜない。

箱を畳むまでの流れ
  1. 以前

    VPS 4 台 + 自室ミニ PC

    自動売買はクラウド。通信だけ Proxifier で自室の固定 IP モバイルへ抜く。箱が二つあった。

  2. 違和感

    出口のために計算まで借りていた

    ミニ PC はもともと常時起動。VPS 代は「同じ Windows をもう一回借りている」に見えてきた。

  3. 集約

    1 KYC = ミニ PC 1 台

    1 台の中に Hyper-V Guest 4 つ。MT5 は約 40 台。名義が 4 つなら、この箱が 4 台並ぶ。

  4. 出口

    Host の gost が Wi-Fi へ

    Host 本体は Ethernet。ブローカー向けの通信だけ、その名義のモバイル回線に縛る。

  5. 回収

    本体約 9 万円、5 ヶ月

    1 名義あたり VPS 代 月 2.8 万円が消える。モバイル Wi-Fi 月 8,000 円は残す。

固定住宅 IP を取るために、クラウドの VPS と自室のミニ PC を並べて回していました。VPS 側で MT5 を動かして、通信だけ Proxifier で自室のモバイル回線へ抜く。固定 IP のモバイル Proxy で書いた構成です。出口の設計自体は、いまでも正しいと思っています。

無駄だったのは箱が二つあったこと。VPS のコンソールと自室の画面を行き来するのが、地味にイライラしてたんですよね。

そこで、計算も MT5 も自室のミニ PC に載せ、出口だけ従来どおりモバイル Wi-Fi に残す形へ畳みました。名義(KYC)は 4 つあるので、ミニ PC も 4 台です。1 名義 1 箱。同じ物理箱に KYC を混ぜない。VPS を否定する話ではありません。VPS が要る理由 は別に書いてある。今回削ったのは、同じ常時起動を二箇所で買っていたコストです。

数字から先に

月額(1 名義) 3.6 万 2.0 万 0.8 万 0 以前 3.6 万円 今後 0.8 万円 回収 VPS 2.8 万 Wi-Fi 0.8 万 月 2 万円減 本体 約 9 万円 ≒ 5 ヶ月 4 名義なら箱も 4 台分
月額は 1 名義ぶん。VPS 代 2.8 万円が消え、本体約 9 万円は約 5 ヶ月で戻る計算。
以前(1 名義) 今後(1 名義)
計算・MT5 VPS 4 台(月 2.8 万円) ミニ PC 1 台(Hyper-V Guest 4)
出口 IP 固定 IP モバイル Wi-Fi(月 8,000 円) 同じ(月 8,000 円)
毎月 約 3.6 万円 約 8,000 円
本体 約 9 万円(5 ヶ月で回収)

毎月おおよそ 2 万円 減ります。本体代は「高い買い物」ではなく、5 ヶ月分の VPS 代です。電気代は自宅側に寄るので、純粋な 2 万円引きでは終わらない。4 名義なら箱も 4 台で、初期費用は約 36 万円。1 名義あたりの回収ペースは同じです。

なぜ 4 台か ——KYC ごとに箱を分ける

口座を増やすほど、名義と IP と端末の塊は揃えておきたい。CID / デバイスの話 と同じで、物理を共有した瞬間に「同じ場所の別人」に見えやすい。だから KYC が 4 つなら、ミニ PC も 4 台です。

名義と物理箱(4 KYC = 4 台) KYC A ミニ PC Guest × 4 MT5 約 40 Wi-Fi 出口 固定 IP KYC B ミニ PC Guest × 4 MT5 約 40 Wi-Fi 出口 固定 IP KYC C ミニ PC Guest × 4 MT5 約 40 Wi-Fi 出口 固定 IP KYC D ミニ PC Guest × 4 MT5 約 40 Wi-Fi 出口 固定 IP
KYC は 4 つ。ミニ PC も 4 台。1 名義 1 箱。出口のモバイルも名義単位で分ける。
1 名義 4 名義(いま)
ミニ PC 1 台 4 台
Hyper-V Guest 4 16
MT5 約 40 台 約 40 台 × 4 箱
出口 モバイル固定 IP 1 本 名義ごとに分ける

1 台が落ちても、他の名義は生きます。同じ箱に 2 KYC を積むほうが、管理は楽に見えて危ない。ここは分けたままがいいと思っています。

なぜこの構成にしたか

前回の記事で書いた通り、多数チャレンジを回すなら IP も設計対象 です。データセンター直結の出口だけだと、居住地寄りの経路より疑われやすい。だからモバイル固定 IP は残す。消したのは、その出口に届けるためのクラウド箱です。

1 名義の箱(以前 → 今後) 以前 VPS VPS VPS VPS Proxifier 自室ミニ PC Proxy 専用 箱が二つ。画面も二つ。 今後 ミニ PC 1 台(Host) Guest 1 Guest 2 Guest 3 Guest 4 箱は 1 つ。Guest で分ける。
1 名義ぶん。以前は VPS 4 台+Proxy 用ミニ PC。今後はミニ PC 1 台の中に Guest 4 つ。

自室のミニ PC は、もともと Proxy 用に 24 時間付いていました。電源も熱対策も、もう払っている。その横で VPS 4 台分の Windows を借り続けるのが、だんだん下手な買い方に見えてきた。

残したもの やめたもの
固定 IP のモバイル回線 クラウド VPS(名義あたり 4 台)
Guest 単位の隔離(昔の VPS 1 台相当) VPS → 自宅、という遠回りのホップ
KYC ごとの物理箱 箱の二重管理

Guest を 4 つにしたのは、以前の VPS 台数に合わせたからです。1 つの Windows に MT5 を全部積むと、更新・クラッシュ・接続の見え方が一塊になる。物理は KYC 単位、Guest は負荷単位、という切り方です。

箱の条件 ——なぜこのミニ PC か

欲しかったのは「安い小型 PC」ではなく、常時稼働の Host です。条件は先に固めて、あとから機種を当てました。

条件 理由
メモリ 32GB Guest 4 つ + Host。16GB だとすぐ詰む
8 コア 16 スレッド Guest に vCPU を割いても、Host 側が死なない
Ethernet と Wi-Fi を同時に 管理は有線、出口だけモバイルへ
冷却が本気 夏場にファン 1 基だと、熱で先に死ぬ
Windows 11 Pro Home では Hyper-V も incoming RDP も厳しい

当たったのが GMKtec の NucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H / 32GB + 512GB)(新しいタブで開く)(広告) です。CPU は 8 コア 16 スレッド、DDR5 の 32GB、有線が 2.5G で 2 本、Wi-Fi 6 が乗っている。デュアルファンなのが、常時稼働ではいちばんありがたい。SSD 512GB は Guest を 4 つ置くと余裕はないので、必要ならあとから足せます。これを KYC の数だけ買った、というだけです。

「ミニ PC なら何でもいい」ではないです。NIC が 1 系統しかないと、Host のデフォルトルートとブローカー出口を分けにくい。ファンが弱いと、夏に先に落ちるのは MT5 より箱です。

歩き方 ——Host / Guest / 出口

1 台の中の図は、これだけです。4 台とも同じ型です。

1 台の中(Host / Guest / 出口) Host(Windows 11 Pro) Hyper-V / RDP / gost Guest 1 MT5 + Proxifier Guest 2 MT5 + Proxifier Guest 3 MT5 + Proxifier Guest 4 MT5 + Proxifier gost :10080 SOCKS / 出口 NIC だけ Wi-Fi Ethernet 管理・更新・RDP 自宅 ISP Host のデフォルト モバイル Wi-Fi 固定住宅 IP ブローカーから見える出口 gost だけが使う
Host は Ethernet。ブローカー向けだけ gost が Wi-Fi へ出す。Guest の MT5 は Proxifier でそこへ乗る。
役割
Host(物理ミニ PC) Windows 11 Pro。Ethernet がデフォルトルート。Hyper-V と管理用 RDP
gost Host 上の小さな SOCKS プロセス。出口 NIC だけモバイル Wi-Fi に固定
Guest × 4 昔の VPS 1 台相当。ここに MT5 を置く
Proxifier(Guest 内) MT5 など指定プロセスだけ Host の SOCKS へ流す
固定 IP モバイル Wi-Fi ブローカーから見える出口。回線の話は前回の記事

手順も、長くない。

  1. Host を Ethernet に繋ぐ。 管理・Windows Update・RDP はこっち。家の ISP が見える。
  2. 同じ Host の Wi-Fi をモバイルルーターへ。 デフォルトルートは Ethernet のままにする。Wi-Fi 側のメトリックを上げて、Host OS がモバイルに吸い込まれないようにする。
  3. Hyper-V で Guest を切る。 1 台あたり 4。Guest ごとに Windows ライセンスが要る。Host の Pro は Guest をカバーしない。
  4. Host で gost を立て、出口を Wi-Fi の IPv4 に縛る。 ブローカー向け SOCKS はここだけ。Host 本体の通信は Ethernet に残す。
  5. 各 Guest で Proxifier を Host の SOCKS に向ける。 MT5 だけ流す。ブラウザや RDP まで全部プロキシに通す必要はない。
  6. 出口を確認する。 Host 直の api.ipify.org は自宅 ISP。SOCKS 経由・Guest の MT5 側はモバイル固定 IP。DNS も家の ISP が見えたら失敗です。

gost は VM ではないです。Host の薄いプロセスなので、Guest のメモリを食わない。以前は「Proxy 専用のミニ PC」と「計算用 VPS」が分かれていたのを、同じ箱の中で役割だけ分けた、という感じです。

モバイル Wi-Fi 側の熱対策は、前回の FS040W と冷却パッド のままです。箱を畳んでも、ルーターの熱は残ります。KYC ごとに出口を分けるなら、回線も名義単位です。

運用の感触

1 箱の MT5 はだいたい 40 台。Guest 4 つに振り分けているので、1 Guest あたり 10 前後です。更新や再起動を Guest 単位でできるのが、VPS 4 台のときと同じ感覚で助かる。

物理は KYC ごとに 1 台なので、電源・ファンの心配は名義単位に閉じます。その代わり、「どの VPS の課金が今月切れるか」みたいな棚卸しが消えた。管理コストが落ちた、と X に書いたのはこの部分です。画面が名義ごとの箱に揃った瞬間、肩の力が抜けました。

向いているのは、すでにモバイル固定 IP を名義ごとに持っていて、MT5 の台数が VPS 代に見合わなくなってきた人です。口座が 1〜2 本、名義も 1 つなら、普通に VPS を 1 台借りる ほうが早い。Hyper-V も Windows ライセンスも、趣味の仮想化をやりたい人向けの道具ではない。プロップの箱を、家計の固定費から外したい人向けです。

向かない条件もはっきりしています。

  • 自宅の停電・工事で回線が止まるのが許容できない
  • Guest 用の Windows ライセンスを用意したくない
  • モバイル固定 IP をまだ持っていない(先に前回の記事)
  • Host の有線と Wi-Fi を同時に扱いたくない
  • 複数 KYC を 1 台に載せたい(分けたほうがいい)

停電の弱さは、クラウド VPS の強みそのものです。そこを取るなら、出口だけ自室、計算はクラウド、の旧構成のままがいい。自分は「二重の画面」のほうが先に限界でした。

まとめ

  • 固定住宅 IP は残す。やめたのは、そのためのクラウド VPS
  • KYC が 4 つならミニ PC も 4 台。1 名義 1 箱
  • 1 台の中は Hyper-V Guest 4 つ。昔の VPS 4 台相当
  • Host は Ethernet、ブローカー出口だけ gost 経由でモバイル Wi-Fi
  • 1 名義あたり月約 2 万円減。本体約 9 万円は 5 ヶ月で戻る計算
  • 熱・停電・ライセンスは、畳んだあとに残る宿題

派手な「自宅サーバー構築」ではないです。払っていた箱を、役割ごとに分け直しただけ。出口の話は前回、箱の話が今回、という切り分けです。

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