プロップを本格的に回し始めると、戦略はエントリーだけじゃない。名義を複数に分けたり、チャレンジ本数を増やしたりするほど、IP 戦略の比重が上がる。
ここを雑にすると、あとから効いてくる。ルール上の「同一人物・同一環境」判定や、いわゆる Social トレーディング/グループトレーディングの疑いを避ける意味でも、出口 IP の設計は本体の EA と同じくらい大事だと思っている。
なぜ Residential 寄りか
傾向として、データセンター直結の IP ばかりだと、ファーム側のレーダーに引っかかりやすい。対して、居住地っぽい経路——いわゆる Residential 寄りの出口——の価値は上がっている。
完璧な匿名化の話ではない。あくまで、自動売買を VPS で回しつつ、通信の出口だけは自室側に寄せる、という実務寄りの選択だ。
いまの主流構成
自動トレード派にとって VPS はほぼ必須だ。一方で、VPS の出口 IP をそのまま使うと、上述の問題にぶつかる。
そこで最近の主流は次の形になっている。
| 層 | 役割 |
|---|---|
| VPS | EA / コピー / 監視など、トレード本体 |
| Proxifier | 指定プロセスだけをローカル側へ流す |
| 自室 mini PC | 常時起動の薄い Proxy 端末 |
| 固定 IP モバイル Wi-Fi | 実際の出口(ドコモ網の固定 IP) |
流れはシンプルで、VPS → Proxifier → Local mini PC(Proxy)→ 固定 IP のモバイル Wi-Fi。トレード計算はクラウド、見え方としての IP は自室のモバイル回線、という分担だ。
回線 ——インターリンク LTE SIM
固定 IP サービスの契約は、インターリンク LTE SIM を使っている。ドコモ網のデータ通信専用 SIM に、グローバル固定 IP が1つ付くタイプ。逆引きもコントロールパネルから変えられる。
注意点は、SIM だけ来て機器は付いてこないこと。ルーターは別途用意する必要がある。eSIM 非対応で、物理 SIM(マルチカット)のみ、という点も事前に把握しておく。
料金プランは速度・容量で複数あるので、常時 Proxy 用途なら「張りっぱなしで足りるか」を先に見る。体験無料がないサービスでもあるので、契約前に公式の料金・エリアを一通り確認したほうがいい。
端末 ——富士ソフト FS040W
ルーターは富士ソフトの +F FS040W。SIM フリーのモバイル Wi-Fi で、インターリンク側の機器セットがないぶん、端末選びはこちらで決める。
Amazon の FS040W(広告)と、楽天の FS040W(広告)のどちらでもよい。在庫と価格を見て安いほうで十分だ。
APN を合わせて挿せば、あとは mini PC をその Wi-Fi(またはテザリング先)に繋ぎ、Proxifier で VPS 側プロセスを向ける。細かい Proxifier のルール設計は別記事に譲るとして、ハードの骨格はこれで足りる。
最大のハードルは熱
この構成で、長期運用いちばんの敵は回線でも Proxifier でもない。バッテリーの熱暴走だ。
モバイルルーターを常時オン、充電しっぱなしにすると、夏場は特に熱で挙動がおかしくなる。対策は派手なものを買わなくていい。
- 充電上限を 80% 付近に抑える(機種の設定で可能な範囲)
- 発熱まわりの設定を見直す(画面オフ時間、不要な常時接続の整理)
- 冷却パッドを貼る
- 安い USB ファンを軽く当てる
冷却パッドは サンワサプライの 17×17mm(12枚入り)(広告)を使っている。排気を塞がない位置に小さく貼るタイプで、ルーター本体やアダプタの熱点に向いている。これに簡易ファンを足すだけで、熱暴走の頻度はかなり落ちる。
まとめ
- 多数チャレンジ/名義分散をするなら、IP も設計対象
- Social / グループトレード回避の文脈では、Residential 寄りの出口の価値が上がっている
- 自動売買の実務解は VPS → Proxifier → 自室 mini PC → 固定 IP モバイル
- 回線はインターリンク LTE SIM、端末は FS040W
- 長期のボトルネックは熱。充電上限・冷却パッド・ファンで抑える
派手な「絶対バレない」話ではない。ただ、同じ自動売買でも、出口 IP を意識しているかどうかで運用の安心感はかなり違う。まずは1回線・1台から組んで、熱だけ先に潰しておくのがおすすめだ。